水彩画でみる徳島の風景

本会機関誌「中央会とくしま」の表紙は、本会顧問 布川嘉樹氏による水彩画で飾られています。「中央会とくしま」の表紙を飾った四季折々の徳島の風景を布川顧問のコメントとともにご紹介します。
※画像をクリックして頂くと絵が大きく表示されます。

「大歩危峡」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和5年度第4号(第170号)掲載

 

大歩危は、2億年の時を経て四国山地を横切る吉野川の激流によって創られた約8㎞にわたる渓谷の総称で、渓谷そのものを指す場合は大歩危峡と呼ばれています。数キロメートル下流の小歩危と共に、大歩危・小歩危として一括りにされることが多く剣山国立公園に含まれています。大理石の彫刻がそそり立っているかのような美しい景観を誇っています。そのちょっと変わった名前の由来は、断崖を意味する古語「ほき(ほけ)」からつけられたという説と、「大股で歩くと危ないから大歩危」、「小股で歩いても危ないから小歩危」という説が有ります。また、大歩危峡はその間近に見る美しい岩石やV字谷の様子から日本列島の成り立ちが分かる全国的にも貴重な場所として、2014年に国の天然記念物に、2015年には国の名勝に指定されています。

「雨乞いの滝(雌滝)」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和5年度第3号(第169号)
掲載

昔、日照りに悩んだ人がみの笠を着けて鉦や太鼓をならし、雨ごい踊りを奉納したことが名前の由来です。雨乞いの滝は45mの高さから3段になって落ちる「雌滝」が圧巻です。そばには真っすぐに27m落下する「雄滝」他、途中の登り道には五つの小さな滝があり、魅力を存分に味わえます。因みに本県にはここ神山町の「雨乞いの滝」の他、那賀町の「大釜の滝」と海部町の「轟の滝」の三大名瀑が日本の滝百選に選ばれています。

「剣峡の秋」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和5年度第2号(第168号)掲載

剣峡は穴吹川上流にあり、川沿いの穴吹町口山から木屋平にかけての渓谷の総称で総延長は約10㎞。エメラルドブルーの川面と断崖を赤や黄色で覆う木々のコントラストは絶景で、龍頭橋など穴吹川をまたぐ橋から清流の渓谷美も訪れる人々の目を楽しませます。11月上旬から中旬が紅葉の見ごろとなります。平家落人伝説がある恋人峠、閑定の滝などの佳境もあります。春にはイワツツジやシャクナゲが咲き誇り、四季を通じて美しい。

「黒沢湿原」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和5年度第1号(第167号)掲載

 鳥の声だけが静かに響く中、水面に白い花がぷカリと浮きあがります。標高約550mにある黒沢湿原では、スイレン花の多年草であるヒツジグサが7月中旬見ごろを迎えます。湿原は県天然記念物に指定されており、希少な動植物が数多く見られます。7月中旬には、純白の羽を広げるかのように、三好市の花・サギソウも可憐な姿を見せ始めます。

「鳴門海峡の渦潮」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和4年度第4号(第166号)掲載

 

 鳴門海峡は淡路島(兵庫県南あわじ市)と四国の大毛島、島田島(ともに徳島県鳴門市)の間にある海峡で播磨灘と紀伊水道を結び日本百景に選定されています。海峡を挟む播磨灘と紀伊水道の間の潮時差がほぼ正反対で、両水域の潮位差は大潮の時で1.5mにも及び最大流速は時速20kmにもなります。有名な鳴門の渦潮は最峡部の下流側にあらわれ、大きいものでは直径15mにもなります。

「大久保の里」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和4年度第3号(第165号)掲載

 

 神山町大久保は、小盆地の地形で、春は棚田の菜の花や桜、秋には乳銀杏の古木の黄葉が楽しめます。
※大久保 乳いちょう(神山町指定天然記念物)
 樹齢500年以上のいちょうは、樹周13m、樹高38mの巨木で、大久保の里を見守るかのようにそびえ立っています。かつては、幼な児の健やかな成長を祈る母が、枝から垂れ下がる乳房のような「気根」に祈願の布を結び、豊かな乳の出を願ったといわれていることが、乳いちょうと呼ばれる由縁です。
 木は季節毎に表情を変えますが、見事なのは梢まで黄金色に染まる晩秋です。夜にはライトアップもあり、闇の中に浮かび上がる黄金色の巨木が幻想的に浮かび上がります。やがて冬の訪れを知らせるかのように、一斉に葉を散らせると、寒さに耐える荒々しい樹皮や名前の由来となった気根があらわになります。
(神山町ホームページより引用)

「四国三郎 吉野川」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和4年度第2号(第164号)掲載

 

 四国三郎・吉野川は、流域面積において四国第一の大河で、長さは194km。源流は瓶が森源を発し、いくつもの支流と合流して水量を増やし、四国四県に豊かな恵みを与えながら徳島平野を貫いて紀伊水道に注いでいます。流域には、渓谷で有名な「大歩危、小歩危」、奇岩怪岩で知られる「美濃田の淵」などの様々な名勝、景勝があり、山岳渓谷美に優れた自然景観が残されています。
 堤防のなかった昔は大変な暴れ川で、手に負えない三兄弟にたとえて、利根川を坂東太郎、筑後川を筑紫次郎、そして吉野川を四国三郎と呼ぶようになりました。

「アジサイの花咲く参道」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和4年度第1号(第163号)掲載

 

 八番札所熊谷寺の二層の山門を抜けると、右に弁天池、左に庫裡、羅漢堂、多宝塔が在り、仁王門に通じます。
 時季になると、この参道の両縁と境内はアジサイの花が咲き乱れて、近年、熊谷寺はアジサイ寺と呼ばれるほどです。

「四国霊場第八番札所 熊谷寺・山門の桜」
組合活性化情報「中央会とくしま」令和3年度第4号(第162号)掲載

 

 のどかな遍路道を行くと、緩やかな山の斜面に二層の山門(仁王門)が見えてきます。山門の前後の桜並木を抜けると、右に弁天池、左に庫裡、羅漢堂、多宝塔があり、階段を上がると昭和15年再建の本堂になります。
 この仁王門は、江戸初期に建立されたもので、高さ12.3m、間口9mと四国霊場最大級の威風堂々とした姿は圧巻です。和様と唐様の折衷による趣で、徳島県の指定有形文化財になっています。

「遠景眉山」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和3年度第3号(第161号)掲載

 

 眉山は徳島市のシンボル的存在として親しまれている山で、どの方向から眺めても眉の姿に見えることからその名がついたと言われています。
 山頂からは、徳島市街や淡路島、紀州の山々までもが一望できます。
 麓に広がる徳島市の中心市街地を流れる新町川が、河口で瀬戸内海に合流し、徳島の海の玄関口となって、藩政時代から物産品を出荷する輸送手段として大きな役割を担ってきました。
 川の下流から眉山を背景に、中心市街地やケンチョピア(県庁埠頭という意味の造語です)を望む風景は、徳島市を象徴する景観のひとつです。

「丈六寺観音堂」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和3年度第2号(第160号)掲載

 

 観音堂普門閣は、室町末期、永禄十年(1567年)に細川真之が父持隆の十七回忌に寄進したものです。三門と同様、唐様と和洋の折衷建築になっています。室町末期の姿が保たれていて、三門と共に県下で最も古い建築物で、昭和28年に国の重要文化財に指定されました。観音堂に安置されている聖観音坐像の座高が一丈六尺で、この大きさの仏像を丈六仏と呼び、これが丈六寺の名になっています。
 この観音像は、明治44年国宝に指定されましたが、昭和25年法律が変わり、県下には国宝がゼロになりました。

「一ノ森山頂」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和3年度第1号(第159号)掲載

 

 一ノ森は剣山から東に連なる約2kmにある山で、山名の通り山頂周辺はゴヨウマツ等の針葉樹が茂る美しい山です。
 クマザサの草原に幹回り2メートル近くあるゴヨウマツや白骨樹が林立する山上の庭園を思わせる景観は見事で、標高1879mからの眺望は、四季折々の絶景が楽しめます。

「日峰山頂からの眺望」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和2年度第4号(第158号)掲載

 

日峰山は徳島市と小松島市との境に位置します。標高191.6m東西約3.5kmで中津乃峰、津峰とともに阿波三峰の一つです。日峰山一帯は日峰大神子広域公園として整備されており、ドライブウエイも完成し、頂上広場には駐車場展望台が設けられています。付近には日峰神社・野外活動センター・桜・つつじ・椿園等があり憩いの場となっています。展望台から見る景色は素晴らしく、晴れた日には紀伊水道、鳴門・淡路を経て和歌山地方がはるかに見えます。

「吉野川橋と眉山」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和2年度第3号(第157号)掲載

 

吉野川北岸から吉野川橋と眉山を望む風景は徳島市を象徴する景観の一つ。「この景色を見ると徳島に帰ってきたことを実感します」と県外から帰省した人は話します。17連のアーチが美しい吉野川橋は、全長1071mの曲弦ワーレントラス橋です。それまで洪水のたびに流されていた木橋に代わる永久橋として、昭和3年に完成。着工から完成まで約3年かかりました。当時その長さは東洋一を誇り、開通式は4万人もの人々でにぎわったそうです。開通当時の橋の色は赤茶色で、現在の水色に塗り替えられたのは戦後になってからです。橋の両側の歩道橋は歩行者安全のため後から取り付けられました。

「秋の奥祖谷」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和2年度第2号(第156号)掲載

国の重要文化財は西祖谷にありますが、東祖谷のかずら橋のほうが自然が豊かできれいです。雄と雌橋が有るので二重かずら橋とも言います。かずら橋は祖谷13橋といわれ生活道として利用されましたが、現在は西祖谷山村と共にこの2橋だけが残っています。800年前平家一族が志度の浦の戦に敗れ隠れ住んだところといわれています。

「四国霊場第二十番札所鶴林寺参道」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和2年度第1号(第155号)掲載

「お鶴さん」とも呼び親しまれる鶴林寺は、標高550m鷲が尾山の山頂にある山岳霊場です。寺への道は険しく、お遍路にとっては八十八か所屈指の難所ですが、現在では山門近くまで車道が通り、山深い霊場をより身近に感じることができます。かつて弘法大師がこの山中で修行中、雌雄二羽の鶴が小さなお地蔵さんを守っているのをみたことから、大師は地蔵菩薩像を彫り、その胎内に鶴が守った地蔵を納めて本尊にしたとされています。延歴17年、桓武天皇の勅願により弘法大師が開きました。周囲の雰囲気が、釈迦が説法をしたインドの霊鷲山に似ていることが山号の由来です。駐車場から進むと風格のある山門(仁王門)が迎えてくれます。

「春色望景 菜の花の里・江田」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和元年度第4号(第154号)掲載

徳島県の中央部に位置する美しい山里「江田」。山村を元気にしようと地区を挙げて棚田で菜の花づくりに取り組んでいます。高台から見下ろす2.5ヘクタールの黄色い絨毯は圧巻で見頃は3月中旬から4月中旬です。

「氷瀑-神通滝-」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和元年度第3号(第153号)掲載

鮎喰川上流へ入り自然の中を進むと、深い緑と四季折々の渓谷美で知られる神通渓谷が現れます。車を降りて行くこと15分。そこに神通滝が雄大な姿を現します。30メートルの落差を持つ神通滝は県下でも有数の滝として名高く、冬には氷瀑となり神々しい姿にかえることがあります。

「霧中の紅葉・秋の大山寺境内」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和元年度第2号(第152号)掲載

大山寺は板野郡上板町に所在する真言宗醍醐派の寺院で山号は物王山。本尊は千手観世音菩薩で四国別格二十霊場第一番札所です。寺院は大山(691メートル)の中腹にあり、山頂からの眺望は「徳島百景」の一つになっています。寺伝によれば6世紀前後、西範僧都が開基した仏法道場と伝えられています。平安時代前期、空海が伽藍の整備を行い、恵果和尚より授かった千手観世音像を本尊として安置したといわれています。当寺出土の経筒は大治元年(1126)の文字が刻まれており重要文化財に指定、また境内の老桜・大楓・大杉・枝垂れ銀杏は町の天然記念物に、周囲一帯は阿波十二勝の一つに選ばれています。

「大浜海岸」  組合活性化情報「中央会とくしま」令和元年度第1号(第151号)掲載

 

県南の海岸線は、美しいリアス式の海岸が多いのですが、その所々に穏やかな砂浜があります。その一つである、ここ大浜海岸は、ウミガメの産卵地として広く知られています。1967年に大浜海岸のウミガメ及び産卵地の名前で国の天然記念物に指定されました。毎年5月から8月にかけて、アカウミガメが産卵のために上陸します。産卵の時間帯は夜が多く、昼間の事例も稀にあります。ウミガメの保護を目的に、5月20日から8月20日までの期間は、砂浜及びその周辺道路で規制が敷かれるほか、保護監視員による活動も行われています。白砂の海岸は、南国詩情あふれる景勝地としても有名で、日本の渚百選に選ばれました。

「薬王寺伽藍遠望」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成30年度第4号(第150号)掲載

四国霊場23番薬王寺は、美波町日和佐駅の北西600メートル程の山腹にあります。本尊は厄除け薬師如来で、古くから厄除けの寺として有名です。たびたび火災にあい、現在の本堂は1908年に再建されたものです。63年に再建された兪祇塔は、仏教の経分の一つ「兪祇塔」を形であらわしたものとされています。高さ29メートルの三階造りで、各階に宝物展示室とロビーがあり、塔からは日和佐の街並みや日和佐湾が見渡すことができます。境内には、33段の女厄坂と、42段の男厄坂があり、女33歳、男42歳が厄年で厄年に当たる男女が硬貨を一段一段に置いて参拝します。四国一の厄除けの寺だけに年間百万の人が参拝します。四国一の厄除けの寺だけに年間百万の人が参拝します。阿波発心の四国霊場も打ち終えとなります。

大鳴門橋  組合活性化情報「中央会とくしま」平成30年度第3号(第149号)掲載

大鳴門橋は、兵庫県の南あわじ市福良丙(淡路島門﨑)と徳島県の鳴門市鳴門町土佐泊浦(大毛島孫﨑)間の鳴門海峡の最狭部を結ぶ吊り橋で、1985年6月8日に開通しました。本州と四国を結ぶ三つの本四架橋ルートの一つである神戸淡路鳴門自動車道として供用され、四国地方と近畿地方の交通の要になっています。橋長は1629m、中央径間は876m、幅は25m、主塔の高さは144.3mです。鳴門海峡は徳島県を代表する観光地の一つであり、鳴門側から橋脚付近まで、橋桁付近まで、橋桁下部に設置された延長約450mの遊歩道である「渦の道」を進むと、展望台から鳴門海峡のパノラマや、足元から45m真下に鳴門の渦潮を見下ろすことができます。大鳴門橋は瀬戸内海国立公園および名勝に指定された鳴門海峡にふさわしい景観を持つ道路として1987年の道の日に「日本の道100選」に選定されました。

丈六寺 三門  組合活性化情報「中央会とくしま」平成30年度第2号(第148号)掲載

丈六寺は曹洞宗の寺院。山号は瑞麟山。本堂の本尊は釈迦如来。観音堂に設置されている聖観世音菩薩坐像が旧来からの本尊です。県内の寺院の中では文化財が多く、阿波の法隆寺と呼ばれています。大本山永平寺との中間に本寺がない無本寺です。丈六寺には本堂まで一門、二門、三門まであります。一門は大門とも総門とも呼び中国の僧彗林が書いた瑞麟山の扁額があります。三門は室町時代末期の建造。和洋、禅宗様折衷の二重門で、重要文化財に指定されています。秋には一門から二門、三門に至る参道は見事な紅葉が空を覆います。

次郎ギュウから望む剣山  組合活性化情報「中央会とくしま」平成30年度第1号(第147号)掲載

剣山は千数百メートルの山々が連なる四国山地の東部に位置する標高1,955mの山で、同じく四国山地西部の石鎚山に次いで、近畿以西の西日本では二番目の高峰です。日本百名山のひとつに選定され、徳島県のシンボルとされています。原生林が姿を残し、キレンゲショウマなど高山植物群生地もあり、四季の変化が楽しめます。別名太郎笈と呼ばれ、南西部の次郎笈と対峙します。山名については諸説があり、呼び名についての論争がありましたが、1963年、徳島県は「つるぎさん」として統一することを決め、剣山の近隣自治体の名前は「つるぎ町」であるなど、公式では「つるぎ」に統一されました。

「袋井用水の桜」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成29年度第4号(第146号)掲載

徳島市鮎喰町の袋井用水水源地です。堤防上に古い石碑が立っています。碑文には「楠藤翁頌徳之碑」の文字。江戸時代に近くにあった島田村の大地主で、袋井用水を作った楠藤吉左エ門の業績をたたえるものです。元禄年間、鮎喰町あたりにあった島田、庄、蔵本という三つの村は水の便が悪く、農地は稲作に不適でした。そこで立ち上がったのが庄屋の吉左エ門でした。私財をなげうち難工事の末地下水脈を掘り当てました。その後工事は子孫に引き継がれて、用水は完成し、水田は潤い、農業生産が大きく発展しました。現在一帯は公園になっており、春になると見事な桜が咲き誇り、付近の住民の憩いの場となっています。

「南阿波サンライン」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成29年度第3号(第145号)掲載

県南の日和佐町から牟岐町まで、黒潮洗う海岸線に沿って走る全長18㎞の観光道路です。起伏にとんだ眺めが素晴らしい。この周辺の岸壁には、ウバメガシ、クロマツがびっしり張り付くように生え、千羽海崖展望台、日和佐浦展望台等、ポイントごとに展望台があります。そこからは、室戸阿南海岸国定公園の美しい海岸線と雄大な太平洋の景観を一望できます。途中の千羽海崖では、高さ200mもある断崖絶壁が太平洋に向かって2㎞にわたって続いています。また付近は格好の釣り場として有名です。徳島県南部は公害が少なく空気が美しいため天体観測に適すとされ、関西各地から天文マニアが集まります。

「剣山から望むジロウギュウ」組合活性化情報「中央会とくしま」平成29年度第2号(第144号)掲載

標高1,955mの剣山は石鎚に次ぐ西日本第二の高峰で古くから山岳信仰の霊峰として知られています。日本百名山の一つに選定され、徳島県では県のシンボルとされています。剣山は別名太郎笈と呼ばれ、南西側に対峙する次郎笈と太郎、次郎の兄弟峰となっています。次郎笈は剣山と変わらない高さ(標高1,929m)と大きさの立派な山容を横たえており、山頂は360度の眺望が広がっています。剣山から次郎笈までの参道はよく整備され、一帯は剣山国定公園に指定されています。因みに笈とは経典などを背負う笈(おいずる)のことで山を意味すると言われます。

「12番札所焼山寺境内」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成29年度第1号(第143号)掲載

標高938mの焼山寺山、その8号目近くにある焼山寺は、66番雲辺寺に次いで四国霊場で2番目に高い札所です。山上への道は厳しく、昔は「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」と呼ばれる遍路の難所の一つでしたが、現在では境内近くの駐車場まで車で行くことが出来ます。参道や境内には樹齢数百年という杉の巨木が立ち並び、凛とした山岳寺独特の空気感もあって身の引き締まる気がします。鶴林寺へ至り次の札所太龍寺へ降りる道には古くからの丁石が残り、最も古いものは貞治2年(1363年)と記されています。こうした史跡がもとで平成22年10月、遍路道では初の国指定文化財の認定を受けました。

「生名谷川桜ロマン街道」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成28年度第4号(第142号)掲載

 生名谷川は勝浦郡勝浦町の水源より勝浦町を経て勝浦側上流に注いでいます。川の両岸約1キロの区間にソメイヨシノやしだれ桜、八重桜が約400本植えられ、「生名谷川ロマン街道」と名付けて県下を代表する桜の名所の一つになっています。開花時期には多彩なイベントを企画し、船下りや産直市、ステージショーなどが行われ、夜間は提灯約500個とLED約30個を取り付けて幻想的な夜桜を演出します。

「だるま朝日」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成28年度第3号(第141号)掲載

 

 沖洲から見ただるま朝日。太陽の蜃気楼現象の一種で、海面に太陽の光が反射し、2つの太陽がつながってだるまのように見えることから「だるま朝日」と言われています。空気が澄んだ冬場に見られる珍しい自然現象の一つです。だるま朝日が昇る場所は各地にありますが、多くはシーズンに1、2度見られるかどうかです。ところが、徳島の沖洲は約70日間のシーズン中に30回前後見ることが出来る稀有なスポットと言われています。右は、お亀灯台です。

「そばの花」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成28年度第2号(第140号)掲載

 

 つるぎ町貞光の猿飼集落は、名瀑・鳴滝や土釜といった名勝地付近に位置する急傾斜地の集落で、野菜やそばなどを生産しています。毎年10月になると、傾斜25度を超える急傾斜の畑一面がソバの白い花で彩られ、美しい景色を生み出します。県西部2市2町で「徳島剣山世界農業遺産推薦協議会」を結成して、ここ猿飼集落で見られるような剣山山系の急傾斜地農法を世界農業遺産への登録を目指して運動しています。

「大川原高原」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成28年度第1号(第139号)掲載

 

 大川原高原山頂からは、遠くは紀伊水道、徳島平野、阿讃山脈など360度のパノラマが楽しめます。頂上付近には放牧場が有り、4月下旬から9月下旬まで牛たちがのんびり草を食べています。また標高900m付近では、7月上旬から中旬にかけて約三万株のあじさいが咲き乱れて、風力発電所の風車15基と共に観光客の目を楽しませています。

「徳島城公園の石垣」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成27年度第4号(第138号)掲載

 

 徳島城の石垣は、眉山から切り出された「阿波の青石(緑色片岩)」を多く使った緑色の石垣として知られています。石垣の積み方は時代によりさまざま。初期に造られた本丸東側の石垣は自然石をそのまま積み上げた野面積みで迫力満点。最も新しいのは大手門付近の太鼓櫓で、乱積みではなく整層積みになっています。桜の時期には桜と石垣、お濠の共演は圧巻です。

「文化の森総合公園」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成27年度第3号(第137号)掲載

 

 文化の森総合公園は八万町の向寺山にある徳島県の総合文化施設です。美術館、博物館、文書館などの施設を中心部に設置し、その周囲に広場や森を配置して散策路を巡らせ、それら全体を保存林が囲むという構成です。とくしま88景に選定され、阿波歴史文化道にも指定されています。なかでも文書館は太平洋戦争の戦禍を免れた旧県庁舎の玄関周りを移築したものです。本画は錦秋に彩られた文書館を山側から写生しました。

「蒲生田岬」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成27年度第2号(第136号)掲載

 四国最東端の岬で灯台からの眺望は素晴らしく、沖合には伊島がたたづみ、晴れた日には遠く大鳴門橋、淡路島、和歌山県まで望むことが出来ます。室戸阿南海岸国立公園を代表する岬で、海岸ではゴロゴロとした大きな石が波に洗われ、北寄りの砂浜はアカウミガメの上陸産卵地でもあり、岬の付け根にある大地周辺は珍しい亜熱帯植物群落として知られています。

「初夏の丈六寺」  組合活性化情報「中央会とくしま」平成27年度第1号(第135号)掲載

 

 古希から始めた水彩画で県内各地の風景を描き続けて8年、この歳になって夢中になれるものがあって大変幸せに思っています。今回表紙に掲載して頂いたのは、初夏の丈六寺 一の門です。丈六寺は曹洞宗の寺院。山号は瑞麟山。本堂の本尊は釈迦如来。観音堂に設置されている聖観世音菩薩坐像が旧来からの本尊です。県内の寺院の中では文化財が多く阿波の法隆寺と呼ばれています。大本山永平寺との中間に本寺がない無本寺です。この 一の門 は大門とも総門とも呼びます。中国の僧 彗林 が書いた瑞麟山の扁額があります。

 

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