65歳まで働ける社会をめざして

高年齢者が生きがいを持って暮らせる社会を築くためには、長年、培ってきた豊富な知恵や知識、技術や技能を活かしながら、働き続けることのできる65歳現役社会の実現を!!

現在の定年制に応じた改正高年齢者雇用安定法への対応方法

<参考>

◆これからの高年齢者雇用管理

●高年齢者の必要性

 もともと人数の少ない中小企業では、文字通り人が財産であり、個々の従業員の能力や働き方によって業績が大きく左右されます。会社としての機能を果たすために、各自が各持ち場で能力を全開しなければならず、1人として余分な人員を抱えてはいられません。
しかも、若手を採用しようとしても、なかなか集まらず、新規学卒者はもちろんのこと、中途採用や高齢者の採用も随時行われています。その意味では、大企業より高齢者の雇用・活用が進んでおり、現代の日本社会に適合しているとも言えます。
さらに、豊富な経験に培われた高いスキルを保有するベテラン社員の退職により、企業の競争力は大きな影響をこうむると考えられることから、こうしたベテラン社員の知識・技能・経験を早急に若手世代に継承することが求められています。
 こうした状況下だからこそ、定年年齢を超えた高齢者を教育要員として活用する、いわゆる「スキルの継承」の必要性が高まっているのです。現実にも、高齢者が蓄積した技能、経験等を職場のニーズに応じて活用する「スキルの継承」が、高齢者の継続雇用の目的として広く挙げられます。

●加齢の原則

■視力・聴力の低下 ■記憶力・判断力の低下 ■職種変換が困難
■体力・持久力・気力の低下 ■新技術・新知識の習得が困難 ■ケガの発生率が高くなる
■敏しょう性・柔軟性の低下 ■個人の作業能力の差が大きくなる 以上のような要因で、高年齢者の雇用確保が困難であると言われています。

●企業にとって必要な能力

 上記のような能力は低下しますが、高年齢者が長年にわたって蓄積してきた知識・技術・技能・経験は、今後、企業が継続的に成長するためには欠かせない能力です。これら能力は簡単に継承できるものではありません。マニュアルに基づいて継承するものばかりではありません。逆に言えば、今後必要とされる高年齢者は「業務遂行に必要な知識・技術・技能・経験を有していること」という要素が重視されることになります。その他にも、「心身共に健全な状態であること」つまり、高年齢者に意欲があっても仕事ができなければ、企業としてはマイナスとなってしまいます。

●雇用環境の改善

 企業が必要とする高年齢者の能力を活かすためには、加齢による身体的能力の低下に対処する必要があります。業種・業態・職種等により改善できる雇用環境は異なりますが、高年齢者の能力を活かすために各企業の実態に応じて、安全衛生全般に見直し、機械等設備改善や作業姿勢等の作業方法、教育訓練及び健康管理面等にも配慮することが必要です。

高年齢者のニーズ

 働く意欲はあるが、体力的な問題による勤務日数及び勤務時間の短縮及び年金支給開始時期・支給額による賃金の要求等、高年齢者からの具体的なニーズも考えられますが、企業側がどこまで応じられるか予め考えておくことも必要です。

●高年齢者に活躍してもらうためには・・・

 今回の改正高年齢者雇用安定法は、65歳まで雇用確保すべき対象者を基準で選定することを認めているため、従業員も職業生活の過程で蓄積してきた豊かな経験、知識及びノウハウを活かしていつまでも会社で活躍できるよう、健康管理など高年齢になっても企業にとって必要な人材であり続けられるように能力向上のための努力を怠らないことが必要です。
 そのため、企業としては各従業員の自助努力を積極的に支援するために、入社から定年に至るまで、そしてその後も段階的に能力開発、スキルアップ及び意欲の向上等につながるようなサポートを色々な角度から行えるような環境づくりが求められます。
 また、高年齢になってからも、高年齢者の特性に配慮した能力開発計画を立て、教育訓練方法の見直しを図っていくことや熟練労働者としての知識・経験を伝承させていくシステム作りも重要な課題です。さらに、配置換えや出向制度の弾力的運用を図り、雇用の多様化に柔軟に対応していくことも求められています。

 

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◆就業規則記載例

 改正高年齢者雇用安定法に適正な対応をするためには、就業規則に65歳までの雇用規則に係る制度の内容を明記する必要があります。

 つまり、常用労働者(パートタイマー含む)10人以上の事業所においては、就業規則にこれら定年について明記し、所轄の労働基準監督署に届け出ている必要があります。

 なお、常用労働者10人未満の事業所でも従業員の労働意欲の向上のため、また今後必要があって高年齢者を採用する時のためにも、就業規則により制度化することをお勧めします。

(1)定年制の廃止(エイジフリー)

 ・定年制の廃止

第○○条  従業員が退職を希望する時は、退職の30日前までに会社に申し出なければならない。

(2)定年の引き上げ(65歳まで)

 ・定年65歳

第○○条  従業員の定年は、満65歳とし、定年に達した日の属する月の賃金締切日をもって退職とする。

 ・定年の段階的引上げ+65歳までの再雇用

定年満了の翌日をもって退職とする。
平成18年3月31日まで 60歳
平成18年4月1日から平成19年3月31日まで 62歳
平成19年4月1日から平成22年3月31日まで 63歳
平成22年4月1日から平成25年3月31日まで 64歳
平成25年4月1日から 65歳
(2) 定年に達した者で再雇用を希望するときは、満65歳を限度として再雇用を行う。この場合は、1年毎に嘱託契約を行う。

(3)継続雇用制度の導入(65歳まで)

 a 希望者全員

 ・定年の段階的引上げ+65歳までの再雇用

(2) 定年に達した者で再雇用を希望するときは、満65歳を限度として再雇用を行う。この場合は、1年毎に嘱託契約を行う。

 ・定年60歳+65歳までの段階的再雇用

第○○条

 従業員の定年は満60歳とし、定年に達した日の属する月の賃金締切日をもって退職とする。

(2) 定年に達した従業員について、定年後も継続して勤務することを希望する場合には、希望する者全員について、引き続き嘱託として再雇用する。
なお、嘱託の所定労働時間については、1日4時間以上8時間以内1週20時間以上40時間以内で当該部署における業務の必要性を考慮して判断する。賃金等の処遇については、従業員本人の健康、意欲、能力等総合的に考慮して当事者間において個別に協議して契約する。
(3) 前項における再雇用は、原則1年単位の嘱託契約とし、前項の諸条件を勘案して満65歳に達する日まで反復更新するものとする。ただし、次の年度までに定年を迎えた者については、満65歳を下表のように読み替えて適用する。
定年を迎えた年度 満65歳の読み替え年齢
平成17年度 60歳
平成18年度 63歳
平成19年度 64歳
平成20年度 64歳

 b 協定対象者

 ・対象基準 − 労使協定の定めによる

(定 年)

第○○条

 従業員の定年は満60歳とし、60歳に達した年度の末日をもって退職とする。ただし、本人が希望し、高年齢者雇用安定法第9条第2項に基づく労使協定により定められた基準に該当した者については、満65歳を限度に再雇用する。

(参考)
 高年齢者雇用安定法第9条第2項

(高年齢者雇用確保措置)

第9条

 定年(六十五歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。

 当該定年の引上げ
 継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入
 当該定年の定めの廃止

 事業主は、当該事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、前項第二号に掲げる措置を講じたものとみなす。

注)

1 継続雇用制度導入に伴う労使協定は、監督署への届出義務なし
2 就業規則限定対象者(事例7)と違い、運用期間の制限なし

 c 就業規則の限定対象者

 ・対象基準 − 1.具体的、2.客観的でなければならない

(定 年)

第○○条

 社員の定年は満60歳とし、定年年齢に達した日の直後の賃金締切日をもって退職とする。

 前項に拘わらず、定年以降も引き続き勤務を希望する者は定年予定日の3か月前までに会社に申し出るものとし、会社は、次の各号の基準または条件を満たす者については、満65歳に達するまでの間、1年契約の更新制として定年に引き続き再雇用(以下「継続雇用」という)する。
@  直近の健康診断の結果、就業上支障がないこと。かつ、勤務に支障がない健康状態であること。ただし、会社は、必要に応じ会社の指定する病院(又は医師)の診断書を提出させることがある。
A  過去5年間に本規則第○章第○条による懲戒処分の「減給」以上の処分を受けたことがないこと。
B  過去3年間にわたり、当社の人事評価が勤務成績・態度・協調性・業務遂行能力・就業意欲等の評価項目についても「B(普通)」以上と評価されていること。
C  在籍出向を含む職場の配置転換・短時間勤務に応じられること。
D  別に定める当社の「嘱託就業規則」の労働条件に合意できること。
E  社内に該当する職場がないときは、当社の連結決算対象子会社である○△社への移籍出向が可能なこと。ただし、この場合、会社はあらかじめ本人と十分協議する。
 会社は、定年予定2年前の該当者全員に通知し、本人の申出により当人に対する人事評価の開示を含め随時に継続雇用について面談・指導し、併せて定年後の就業意欲の査定の参考とする。
 第2項による継続雇用について、会社は、当該者の定年予定日の2か月前までに同項の基準等の事実を本人に開示し、継続雇用の可否を本人に通知する。
 継続雇用を通知した者について、会社は、当該者の定年予定日の1か月前までに本人と継続雇用時の労働条件について協議し、嘱託就業規程に従い労働条件通知書等を本人に交付する。なお、移籍出向者は、これを○△社に行わせる。
 会社は、更新を希望する継続雇用者の契約更新の都度、第2項各号の基準または条件の適合性を確認して本人に開示し、契約更新の有無を契約期間終了の30日前までに本人に通知する。
 継続雇用期間満了の65歳以上の者についても会社が必要と認める場合には、あらためて嘱託として再々雇用することがある。

注)1

 労使協定締結に努力したにもかかわらず、協定不成立の場合のみ採用可。そのため、努力した記録が重要(議事録の作成)

 ア いつ  イ 誰と  ウ どこで
 エ どんな内容について協議したか
 オ その結果、どうなったのか

 労使協定による対象者(事例6)と違い、運用期間に制限有り

 大企業   平成18年度から3年間
 中小企業  平成18年度から5年間

 従業員数、300人以下が中小企業の扱い(資本金、業種無関係)

 3年経過後、280人→310人となった場合、
 変更があった時点で大企業として取り扱われます。

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徳島県中小企業団体中央会

65歳雇用導入プロジェクト

TEL(088)654-4431

FAX(088)625-7059