チョコレート


「チョコレートは、血糖値を下げるんですよ。」

と2月14日バレンタインデー朝のNHKワイド番組 “あさイチ” 出演の専門医師が言った。

今から13年前の1998年のこと、山の崖から転落し重傷を負った患者が、何にも食べられず、衰弱する一方だったが、医者が何か食べたいものはないかと訊ねたらチョコレートが欲しいと言ったので、毎日チョコレートを与えたところ、みるみる傷は治癒するし体力も回復したという。

そこでチョコレートの効用をネズミやウサギを使って実験したところ驚くような良好な実験結果が得られたので現在では救急医療は当然ながら病気治療にまで使用されるまでになっていると解説する。

「チョコレートには亜鉛やカフェインなど動脈硬化を予防し脳のドーパーミンの分泌を促し、リラックス作用や集中力を高める成分があるのです。」

「エエー!糖尿病の人にも良いんですか?」

「そうなんです。しかし余り糖分の多いのは逆効果になりますが」

ハタと小膝をたたいて小躍りしたい気分になった。

妻から何時もチョコレートを口にするとき

「もう止めなさいよ、糖尿病になっても知らないから」

と制限を受けるのである。

私は手術で、胃が小さく、食事を脳ではもっと食べたいと欲求があるのに、胃が受け付けなくてストレスがたまり、食後これを紛らわせるのにチョコレートを食するのだ。

これがまた美味しくて。特にアーモンド入りには眼がないくらい食べてしまうのだ。

しかし食べた後、これじゃあ身体に良いわけないよなぁと悔悟の念に駆られていたのである。

ところがテレビの専門医師の言うとおりなら心置きなく食べられるではないかと思った。

そう言えば、何年か前、ココアが健康ブームを巻き起こし、店頭から一時消えたことがある。これも確かテレビでその効果を喧伝した結果だったように思う。

我が家も同じで、つい最近も酒粕が身体に良いという番組があり、なくならない内にと、あくる日早朝スーパーへ行き残り少ない酒粕を手に入れ、妻が番組の通りの調理をしたが、そのまずいことと言ったらなく・・・・私は一度口にしただけで、妻が顔をしかめながら完食した。

以前知人よりベルギー産の高級チョコを頂いた。

大喜びで食したのだがこれが苦いばかりで口に合わない。細胞を活性化させるカカオとココアの割合が高く糖分が少なくてまずいのだ。

甘ければ甘いほど頭の芯がしびれるほど美味しく感じられるのだからやはり良薬は口に苦しなのかもしれない。

現役の時は随分と健康食品を摂取した。片掌山盛りを口に放り込んでいた。最後は某大学が開発したというリコピンとカロテンを原料としたという癌にならないサプリメントを摂取していたにもかかわらず、癌を患った。

年金生活になってその健康食品はすべて止めた。

講釈好きの妻が言う

「あんな高いサプリメントより食事で摂取する方が吸収しやすく、安全なのよ。私は “まごたちわやさしい” の食材を組み合わせたレシピを作成して実践しているの。ま(豆類)、ご(ゴマ)、た(卵)、ち(乳製品)、わ(若布など海草類)、や(野菜)、さ(魚)、し(椎茸などキノコ類)、い(芋類)ってわけよ。これを朝昼晩の食事ですべて摂取できるようレシピを作っているのよ。」

果たして、夫婦共に元気はつらつかと言えばそうでなく、毎日夫婦共々身体の不調に悩んでいる。

寄る年波には勝てないのか、病気は向こうの方から勝手にやってくる。

日本人の平均寿命は男性79歳、女性86歳だが、健康寿命というのがあって(身心共に健康で自立した生活のできる生存期間)男性72.3歳、女性77.7歳だそうで、これだと7から8年は病に臥せっていなければならないことになる。

そうなら何とか病と折り合いをつけて穏便に生きていくことを願うより他あるまいと思うのである。

ところでチョコレートだが、今年のバレンタインデーでプレゼントされたのは妻と孫の2人であった。

若かりし頃、多くの女性から豪華なチョコレートを次々プレゼントされて、机の上にチョコレートが積み上がってしまったことが懐かしく想い出されるのである。(嘘ではない本当の話なのだ。)

(忠)


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