雑 感

携 帯 電 話


 某商業者が、今に携帯電話は1人1台の時代を迎え、夕方になると妻に「今日のおかずは何」なんてバカなことを電話をするサラリーマンも出てくるのじゃないか、と言っていたが炯眼である。
 移動電話の契約数が4月の端末売切り制導入以降急増し、昨年1年間で150万台を越える勢いで、契約数の累計も10月末で300万台を突破したそうである。又12月からは市場の急成長に対応し、加入料の大幅な引き下げなど料金値下げを取扱い企業が相次いで申請、これにより一層の需要が拡大しそうだ。
 香港では市内の通話料は無料であるから、何かといえば電話する。要するに多数が使うものは政府が負担し、少数が使用するものは負担を多くするのが政府の方針と聞いた。一理ある。これからの日本も、競争原理を反映して通話料をますます安くなるかもしれない。
 普及加速の現象は、あちこちで見られる。
 講習会中にピコピコなるのには閉口したがバスや船の中でもリンリンなるのである。自転車に乗って電話しているのを見て吹き出したこともある。
 知り合いの中小企業の社長も、頻繁に電話する。歩きながら、会議中、自動車のなか、いかにも得意顔である。
 何故得意か、多忙人間はまじめで有能、ひま人間は不まじめ、無能、ろくでなしと決めつけているのであるが果たしてそうか、一生懸命努力して成果が上がらぬよりは、楽をして成果をあげている人間が有能だと言えば不謹慎か。
 日本の繁栄は勤勉にあるといわれてきた。
 しかし長時間労働、付き合い残業、サービス残業にふろしき残業、こういった個人の日々の努力が今まで報われてきたか、会社人間で家庭を犠牲にして働いてきた中高年が、今や年功序列が崩れないと生き残っていけないとリストラ最前線に追いやられた。
 携帯電話の普及によって、企業の経営効率はあがるが、このために従業員が、がんじがらめの管理に支配される時代になるなら同病相憐れむ外はない。

(忠)