なぜ中小企業者に組合が必要か
中小企業は、一般的に経営規模が小さいため、資金調達力や情報収集力が弱く、人材や信用力の不足により、事業活動のうえで不利な立場に立たされている場合が少なくありません。さらに、デフレの長期化や円高による先行不安、仕事量の減少、新興国の台頭に伴う世界経済の構造変化、情報化の進展、消費者ニーズの多様化、エネルギー・環境問題などにより経営環境は一段と厳しさを増しており、これらに対応するため事業領域の再検討や事業転換の必要性に迫られるなど、一段と厳しい経営を余儀なくされています。
一方、中小企業は地域経済の核としての役割とともに、地域文化の伝承やイベント活動にも参画し、地域社会の活性化において重要な役割を果たしています。
中小企業が、このような厳しい環境に対応して自律的に発展していくためには、個々の企業の自助努力が大切ですが、経営資源に様々な制約を有する中小企業には自ずと限界があります。このため中小企業者同士が組合をつくり、互いに協力・助け合い、自らの事業経営を充実・強化していくことが極めて効果的な方策であるといえます。
具体的には、同業の中小企業者などが相集まって組合を組織し、共同事業を通じて生産性の向上や価値実現力を高め、対外交渉力を強化するなど、経済的地位の向上を図るための様々な取り組みが行われており、このため各種の組合制度が設けられています。
組合の設立に当たっては、中小企業者が行おうとする共同事業の種類・内容によって組合の種類を選ぶことが大切です。