(2)組合の申し合わせをやぶった組合員の除名について

Question

小売業者の組合において、同じ商店街にある大資本経営のスーパーマーケットへの対抗上同スーパーに入らないことの申し合わせを行った場合、同スーパーに入った故をもって、同組合定款の除名規定「組合の事業を妨げ、又は妨げようとしたとき」に該当するものとして除名するのは適当か?
なお、除名された組合員は営業ができなくなる事情にあるので、憲法上の営業の自由とも関係があると思われるが。また、定款にスーパーに入った場合は除名する旨規定することは適当か?

Answer

組合員が組合から除名されることによって、営業を続けることが不可能となる場合、その除名は、独禁法第2条に規定する不公正な取引方法等に該当し、同法第8条第1項第3号から第5号違反となると解される。
また、組合員がスーパーマーケットに入った場合、除名する旨を規約又は定款に定めることは差支えない。しかし、その結果、除名された組合員が、市場条例等の関係から、事実上営業を続けることが不可能となるなど、営業活動に著しく不利益を与えるような場合は、規約又は定款はその部分について無効となる。
なお、本件と類似事件の審決例として、〇〇海産物仲買人協同組合の加入拒否の例がある。この事件は、スーパーマーケットを経営する事業者に対して、組合がその者の組合への加入を拒否したため、その事業者が商品購入が不可能となり営業ができないという事例であるがこれに対しては、独禁法第8条第1項3号及び5号違反の審決が下されている。

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