(1)持分の算定方法について

Question

中小企業庁の模範定款例に、加算式持分算定方法の規定が追加されましたが、従来の改算式持分算定方法との違いについてご教示下さい。

Answer

持分の算定方法は、法に何らの規定がないので、定款で自由に定めてよいわけですが、一般にその方法として改算式(又は均等式)算定方法と加算式(又は差等式)算定方法があります。
改算式算定方法は、組合の正味財産(時価)の価額を出資総口数で除することにより出資1口当たりの持分額を算定し、それに各組合員それぞれの出資口数を乗じて各組合員の有する持分額を算定する方法です。
この方法によるときは、出資1口当たりの持分額が均等となるので、計算、事務処理が簡便ですが、原始加入者および増口分の出資の払込みに際しては、持分調整金を徴収する必要が生じます。
現在殆どの組合がこの方法を採用しています。加算式算定方法は、各組合員について、事業年度ごとに、組合の正味財産(時価)に属する出資金、準備金、積立金その他の財産について、各組合員の出資口数、事業の利用分量(企業組合にあっては従事分量)を標準として算定加算(損失が生じた場合はそのてん補額を控除)することによって、各組合員の有する持分額を算定する方法です。
この方法によるときは、各組合員の持分は、加入の時期、組合事業の利用分量等により不均一となるので、計算・事務処理が繁雑となります(持分計算を明らかにするための持分計算表と、各組合員別に持分額を示す持分台帳が必要となります。ただし、最近は電算機の普及により機械処理が可能となっています。)が、持分調整の問題を生じないし、また、組合員の組合に対する権利義務の表示について忠実であると言えます。
このように、この2つの方法にはそれぞれ特徴があり、組合の実情に応じて適宜選択する必要があります。このため、模範定款例に、平成3年6月12日の改正により、従来の改算式算定方法に加えて、これまで明確に示されていなかった加算式算定方法の規定が次のとおり追加されています。

【定款例】
第23条 組合員の持分は、次の基準により算定する。
 一 出資金については、各組合員の出資額により算定する。
 二 資本準備金については、各組合員の出資額により事業年度末ごとに算定加算する。
 三 法定利益準備金、特別積立金及びその他の積立金については、各組合員が本組合の
  事業を利用した分量に応じて、事業年度末ごとに算定加算する。
 四 繰越利益又は繰越損失については、各組合員の出資額により算定する。
 五 土地等の評価損益については、各組合員の出資額により事業年度末ごとに算定し加
  算又は減算する。
2 準備金又は積立金により損失のてん補をしたときは、その損失をてん補した科目の金額に
 おいて有する各組合員の持分の割合に応じてそのてん補分を算定し、その持分を減算する。
 第53条第2項ただし書の規定又は総会の決議により、特別積立金又はその他の積立金を損
 失のてん補以外の支出に充てた場合も同様である。
3 本組合の財産が、出資額より減少したときの持分は、各組合員の出資額により算定する。
4 持分の算定に当っては、何円未満のは数は切り捨てるものとする。
(注書は略)
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