(6)総会の延期・続行手続きについて
Question
総会の会日中に、何らかの理由により議事を終了できないときは、他の日に延期または続行することができるということを聞きました。
総会の延期と続行とはどのように違うのでしょうか。また、次のような手続きに問題はないでしょうか。
1.議事の進行状況からみて、会日中に議事を終了しないことが明かな場合、議場に諮らず、議長
単独の判断で総会続行の決定をすることができるのでしょうか。
2.総会の席上では、会場確保等の関係から後日の総会の日時や場所を決定することが難しいと思
われます。
日時、場所の決定を議長に一任し、決定次第速やかに組合員に連絡することとしても問題はな
いでしょうか。
3.延期又は続行する総会の開催日時を、場所の確保等の理由から、当初の総会日から1ヵ月程度
先の日に定めても構わないでしょうか。
Answer
総会においては延期または続行の決議をすることができ、その場合改めて総会招集の手続きは要しないとされています(組合法第54条(商法第243条準用))。
ここにいう延期とは、総会の成立後、議事に入らず、会日を後日に変更することをいい、続行とは、議事に入った後、時間の不足その他の事由により審議未了のまま総会を中断し、残りの議事を後日に継続することをいいます。この延期または続行の決議に基づき後日開かれる総会は通常、継続会といわれています。
このような制度が設けられているのは、何らかの都合により総会を延期または続行しなければならなくなった場合、総会の招集手続きを繰り返さなければならないという煩わしさが生じ、また、招集手続きに必要な10日間は総会を開くことができず、予定の審議も速やかに終了することができないという不都合が生じることを避けるためです。
1.総会の延期または続行は総会の決議を要件としていますから、総会の決議を経ず、議長の判断
のみで延期または続行を決定することはできません。
ただし、この決議は議案そのものに関する決議ではなく、一種の議事進行に関する決議ですか
ら、あらかじめ招集通知に議題として記載されている必要がないことは当然です。
2.継続総会と当初の総会とは同一性を有していなければなりません。
そのためには、総会の延期または続行の決議において、原則として、後日の継続会の日時及び
場所を定めることが必要で、期日を定めず、単に総会を後日に延ばすときには、総会は同一性を
保ちえず、改めて招集通知が必要になるとされています。
しかし、実際上会場の都合などで、総会の席上では具体的に決定し得ない場合も有り得ます。
その場合、総会が日時、場所の決定を議長に一任し、総会終了後速やかに通知せしめることを
決議した時には、総会において日時、場所を定めたものとして有効な延期または続行の決議がな
されたものと解することができます。
なお、この場合議長の通知は、延期または続行の趣旨からして、当初の総会の出席組合員(書
面、代理を含む)に対してすれば足りると解されています。
3.この制度が設けられた趣旨からして、継続会は当初の総会の会日から相当の期間内に開かれる
ことを要します。なぜなら、相当の期間経過後であれば、総会招集の手続きをすることが十分可
能であるからです。
このような解釈から、相当の期間内というのは、総会招集通知に必要な10日間以内と解する
のが妥当とされています。
1カ月も先の日時に開催することは、明らかに継続会とはいえず、改めて総会招集の手続きが
必要になると考えられます。
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