(1)議決権・選挙権に関する定款記載方法について

Question

議決権、選挙権に出資割制を認める場合の定款の記載方法については、模範定款例に「組合員は、それぞれの出資持口数に何を加えた議決権及び選挙権を有する。」とあるが、加えるべき数は整数によらなければならないか。整数を加えることとすれば、議決権、選挙権については、出資口数割の議決権等の総数は平等割の議決権等の総数を超えることができないので、組合員の移動、出資口数の変更等によって、定款変更しなければならないケースが多くなる。

Answer

協業組合の場合は、平等の議決権等のほかに、出資に比例して議決権等が認められ、出資比例議決権数が制限されているので、定款の記載について、質問のような整数による確定数を記載すると、組合員の移動や出資の増加等によって、この制限を超える事態も当然予想され、定款変更がその都度行われなければならないことになる。
これについての定款規定は、議決権等を行使する際に各組合員が有している議決権等を算出できるものであればよく、必ずしも整数による確定数を記載する必要はないと考える。
この場合に、定款の記載をどのようにすればよいかであるが、1つの参考を示すと、次のような内容でよろしいのではないかと考える。

〔例〕
第〇条 組合員は、それぞれの出資持口数に、各組合員に平等に与えられた議決権数を加えた数の
 議決権及び選挙権を有する。
2 前項の各組合員に平等に与えられる議決権数は、出資総口数を組合員の総数で除して計算した
 数より大きく、その数に最も近い整数とする。

(注)平等割の議決権(選挙権)数を、前項よりも多くする場合は、第2項を次のように記載する。

2 前項の各組合員に平等に与えられる選挙権数又は議決権数は、出資総口数を組合員の総数で除
 し、その除して計算した数に何を加えた数とする。この場合において、小数点以下の端数がでた
 ときは切り捨てるものとする。

(注)加えるべき数は、平等割の議決権数等を何個にするかによって適宜記載する。

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