6.規約・規程の態様

 規約・規程は、大きく分けると事業、運営、管理の3つの態様が考えられる。組合の事業(共同生産、共同加工、共同販売、共同金融等)実施のための利用条件に関するもの、組合の意思決定機関たる機関(総会、総代会、理事会等)の運営に関するもの、及び組合活動に必要な事務局等(事務局役員、職印等)の管理に関するもの、などである。これら規約・規程の態様を法令、定款等との関係から体系的に考えてみると、次項の図のようになる。

(1)組合の事業に関する規約・規程
   組合員の関心が最も深いと思われるのは、組合事業を利用するに当たっての諸条件を定めた
  各種共同事業に関する規約であろう。事業規約は、単に事業の運営管理の観点からとらえられ
  るだけでなく、個々の組合員がいかに円滑に組合事業を利用できるかといった観点からも設定
  されなくてはならない。
  したがって、こうした内容と役割を課せられた事業利用のための規約・規程は、組合員の十分
  な了解のもとに設定される必要がある。
   組合は一般に、生産、加工、販売、購買、検査、金融、福利厚生、指導教育、情報提供等極
  めて多岐にわたる事業を実施しているが、これを担当する職員も少なく、その職能の分化も十
  分に行われていないのが現状であろう。このため組合事業は、これを担当する者の経験や勘に
  よって処理されることが多く、とかく弊害が生じやすい。したがって、組合事業については、
  合理的管理組織の確立と、その表現としての事業利用に関する規約・規程の設定整備が絶対に
  必要である。各種事業の特性に応じた規約・規程の設定こそ円滑な事業利用の基本である。

(2)組合の運営に関する規約・規程
   組合運営に関する基本原則は、定款に盛り込まれているが、更に総会、理事会、その他各種
  委員会等に関する具体的な基準を定めるのが普通である。総会規約、役員選挙規約、委員会設
  置規約、理事会規定等である。

(3)組合の管理に関する規約・規程
   組合管理に関する規約・規程は、組合事務を分業化することにより各単位事務の単純化、能
  率化を図り、その各々の間に有機的な関連をつけて全体としての統制を確保するためのもので
  あり、
  ①その分業化した組織の全体に関する機構図(相互関係)を明確にし、
  ②この分化した組織にしたがってその各々にどのように組合事務を分掌させるかを規定し、
  ③この各部署に配置された者がどのような責任と権限を有するかを明らかにする。

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